値上げ3,033品目と、見えない「補助の終わり」。6人家族の食費と光熱費で10月を考える
今日から10月。朝、スーパーのチラシを見ながら、妻が「今月からまた上がるんだよね」とつぶやきました。そう、10月は値上げの月です。しかも今年は、値札に出ない値上げも重なっています。子ども4人の6人家族として、この10月をどう乗り切るか、考えてみました。
10月の値上げは3,033品目。何が上がるのか
帝国データバンクの見通しでは、2026年10月に値上げされる飲食料品は3,033品目。単月で3,000品目を超えるのは3年連続です。内訳を見ると、偏りがはっきりしています。
| 分野 | 10月の値上げ品目数 |
|---|---|
| 酒類・飲料 | 1,373品目 |
| 調味料 | 820品目 |
| 加工食品 | 668品目 |
| 菓子 | 127品目 |
| 乳製品 | 45品目 |
| 合計 | 3,033品目 |
しょうゆやつゆ、たれといった調味料。冷凍食品や生めん。ポテトチップスや米菓。日用品でも、ライオンが歯みがきや洗剤など159品を4〜25%値上げします。つまり、「毎日必ず使うもの」が広く上がる月です。
「9月中に買いだめ」は、どこまで効いたのか
6人家族だと、調味料も冷凍食品もお菓子も、減るスピードが尋常ではありません。なので9月の終わり、正直、買いだめを考えました。やってみた結論を言うと、効くものと効かないものがありました。
効いたもの:日持ちして、確実に使い切るもの
しょうゆ、めんつゆ、歯みがき粉、洗剤。未開封なら数か月もつし、6人家族なら必ず使い切ります。値上げ幅も品目によっては1割を超えるので、少し多めに買っておく意味はありました。
効かなかったもの:冷凍食品とお菓子
冷凍食品には、冷凍庫の容量という物理的な壁があります。お菓子は、買いだめした瞬間に「あるなら食べていい」モードになり、子どもたちの消費ペースが上がる。これは我が家で何度も経験済みです。
それに、値上げは10月1日に店頭で一斉に切り替わるわけではありません。メーカーの改定は「10月1日出荷分から」「納品分から」と品目ごとにタイミングが違い、店頭の値札に反映されるまでには時間差があります。9月30日に慌てて駆け込む必要は、実はそこまでなかったのかもしれません。
本当に効いてくるのは、11月の検針票
食品の値上げは、値札を見れば気づけます。本当に怖いのは、気づきにくいほうの値上げです。
政府の電気・ガス料金支援は、2026年9月使用分で終わりました。10月に使った分からは値引きがゼロになります。電気やガスの単価そのものが上がるわけではないので、ニュースとしては地味です。でも、請求額は確実に増えます。
報道によると、東京電力と東京ガスを使う標準的な家庭では、10月使用分だけで電気が約1,286円、ガスが約744円、合わせて約2,030円の値上がりになる試算です。しかも、この差が見えるのは11月に届く検針票から。10月に届く明細には、まだ9月分の値引きが入っています。「10月の請求は大丈夫だった」と安心した1か月後に、ずしんと来る構造です。
さらに11月には、送配電会社の託送料金の改定も予定されています。経済産業大臣は「10月は電気の使用量が減るので、支援は必要ないと考えている」という趣旨の認識を示していますが、我が家の実感は少し違います。
東京都心は8月27日から9月30日まで、35日連続で雨を観測しました。統計開始以来の最長記録です。洗濯物が外に干せず、6人分の洗濯を乾燥機に頼る日が続きました。電気の使用量そのものが、例年の秋より多いのです。
家計の「値上げ耐性」は、固定費と変動費の両方で考える
9月にNURO光の値上げについて書いたとき、「固定費は黙っていると増える」と書きました。今回の食品と光熱費は、その変動費版です。
我が家で今月からやることは、3つだけにしました。
- 11月の検針票は、金額ではなく「使用量」で前年と比べる。金額だけ見ると、補助の有無で判断を誤ります。
- 調味料と洗剤は、「値上げ前に買う」から「使う量を決めて買う」に切り替える。買いだめは、家に在庫があるという安心感で使い方が雑になりがちです。
- お菓子の「今週の分」を、子どもたちと一緒に決める。
3つ目は、節約というより教育に近いかもしれません。「値上げしたから我慢しなさい」ではなく、「この金額で、今週どれとどれを選ぶ?」と聞く。以前こどもNISAについて書いたとき、子に遺したいのはお金そのものより、お金との付き合い方だと書きました。値上げの月は、その練習にちょうどいい教材です。
値札より、検針票を見る
値上げのニュースは、どうしても品目数に目が行きます。でも、家計にじわじわ効いてくるのは、見えにくいほうです。
10月の買い物は落ち着いて。11月の検針票は、必ず開いて使用量まで見る。そして子どもたちと「選ぶ」練習をする。
あなたの家では、この10月、何がいちばん「上がった」と感じますか。