「お盆は帰ってこなくていい」の時代に、親との距離をどう保つか — 実家のセキュリティをSwitchBotで自作した話

2026年8月20日

お盆が明けました。今年の帰省をめぐって、少し考えさせられる調査があります。マイナビニュースが会員に行ったアンケート(有効回答303人)によると、この夏は「帰省も、家族や親族を迎える予定もない」と答えた人が4割超(41.3%)で最も多かったそうです。「帰省する予定がある」と答えた人は33.0%。つまり、”帰る・迎える”お盆よりも、”どちらもしない”お盆のほうが、いまや多数派になりつつある、ということです。

背景にあるのは、遠距離移動や交通費・宿泊費の負担、共働きで長期休暇の予定がそろわないこと、そして何より「わざわざ集まらなくても、連絡はいつでも取れる」という時代の空気なのだと思います。数字だけを見れば、家族のつながりが薄れているようにも映ります。けれど私は、これはそう単純な話ではない気がしています。

というのも、今年は結局、私も自宅から1時間半ほどの実家に子どもたちを連れて顔を出したのですが、その道すがら、この数字を思い出して、責める気持ちより先に「わかるなあ」という気持ちが来た自分がいたからです。

「帰ってこなくていい」は、突き放しではないのかもしれない

同じ時期に、「お盆は帰ってこなくていい」と実家の母から告げられた、という話も話題になっていました。言葉だけ切り取ると寂しく聞こえます。でも、親になって、あの言葉の裏側が少しだけ想像できるようになりました。

渋滞の中を妻や子供4人を乗せて2時間かけて来させて、気を遣わせて、また同じ距離を帰らせる——その一部始終を、たぶん親のほうがいちばん申し訳なく思っている。「帰ってこなくていい」は、突き放しではなく、いちばん不器用な気遣いなのかもしれない、と今は思います。

距離は「回数」じゃなくて「気にかけている実感」で決まる

とはいえ、じゃあ帰らなくていいのか、というとそこは私は少し違う感覚を持っています。うちは私の実家が関東で、弟は欧州に駐在中と、家族がてんでばらばらに散っています。全員が年に何度も集まるのは、あまり現実的ではありません。

ここ数年でやり方を変えました。「年に何回帰るか」を目標にするのをやめて、「父が今どうしているかを、自分がちゃんと知っている状態」を保つことに目的を移したんです。週末に子どもの顔をビデオ通話でつなぐ、孫の運動会の動画を送る、父の通院の予定だけはカレンダーで共有しておく。物理的に会う回数は増えていないのに、「気にかけている」という手触りは、以前よりむしろ濃くなった気がします。

ただし「知っている状態」は、放っておくと薄れる

気をつけたいのは、この「気にかけている実感」は、意識してメンテナンスしないと、じわじわ薄れていくということです。仕事が立て込むと連絡は減るし、元気そうな声を聞くと安心して間隔が空く。だからこの夏、私は「気にかけ続ける」を”仕組み”で支えることにしました。防犯への意識が高まっていたのもあって、思い切って実家のセキュリティシステムを、自分で作り始めたんです。

実家のセキュリティを、SwitchBotで自作してみた

骨格に使ったのはSwitchBotの製品です。具体的には、司令塔になる「Hub Mini」、動きを検知する「人感センサー」、そして家電の電源をオン・オフできる「プラグミニ」。この3つがSwitchBot製で、ここに市販のLEDテープライトと回転灯(パトライト)を、プラグミニ経由で制御する形で組み合わせました。まだ途中なのですが、まず形にしたのは「人感センサーに反応してLEDライトが点く」という仕組み。これが想像以上に良かった。防犯と、暗闇での利便性の”両方”が、一気に満たされたんです。

特に効いたのが、玄関までの導線でした。実家はガレージと庭を通って玄関にたどり着く造りなので、ここが暗いと夜は足元が危ないし、防犯上も死角になります。そこにテープライトを這わせて、ガレージ付近の人感センサーが反応したら、庭から玄関までがパッと照らされるようにした。帰宅した父の足元を照らす”やさしい灯り”であると同時に、誰かが近づけば光る”見張り”にもなる。一石二鳥でした。テープライトが防水なのも、屋外の導線に使ううえで安心材料です。

構成はこんな感じ

実家セキュリティ構成図(SwitchBot+市販ライト) SwitchBot製=Hub Mini・人感センサー・プラグミニ/LEDテープライト・回転灯は市販品をプラグミニで制御 ① 敷地レイアウトと機器配置 ガレージ 人感センサー (ガレージ付近に設置) 玄関・家 玄関ドア 回転灯 LEDテープライト(庭 → 玄関の導線を照らす/防水) ② 機器構成と連携ロジック 人感センサー 動きを検知 Hub Mini 司令塔(各機器を接続 &連携ルールを設定) プラグミニ A 電源をON/OFF LEDテープライト 庭〜玄関を点灯 プラグミニ B 電源をON/OFF 回転灯(パトライト) 威嚇・警報 検知 ON ON 連携ルール 人感センサーが反応したら、 回転灯とテープライトを「1分間」点灯 ※現在も構築途中。今後:センサー増設/回転灯を光らせるタイミングの調整/音声ポップの導入を検討。
実家セキュリティの構成図(人感センサー×LEDテープライト×回転灯/SwitchBotで自作)

司令塔はHub Mini。ここに各機器をつなぎ、テープライトと回転灯(パトライト)は、それぞれSwitchBotのプラグミニに接続して電源をON/OFFできるようにしています。あとはHub Mini側で「人感センサーが反応したら、回転灯とテープライトを1分間点灯する」というルールを組むだけ。配線も設定もシンプルで、パソコンとガジェットが好きな人なら、休日の午後で十分に形になります。

使ってみた感想と、これから

正直、満足度は高いです。とくにテープライトは、防水で扱いやすく、防犯と生活の利便性の両方をぐっと引き上げてくれました。回転灯は、いざという時の威嚇として”あるだけで安心”な存在です。今後は、センサーの設置場所をどこまで増やすか、そして回転灯をどのタイミングで光らせるか(普段の人の出入りのたびに回るとうるさいので、ここは慎重に)を詰めていきたい。さらに、音声で警告する”音声ポップ”の導入も考えています。

面白いのは、この作業をしながら、冒頭の話と自分の中でつながったことです。センサーもライトも、やっていることは結局「離れていても実家を気にかけ続ける」を仕組みに落とし込むこと。手間は自動化していい。でも、”気にかける”という行為そのものは、機械に丸投げせず自分の手で設計したい——そう思えたのが、作ってみていちばんの収穫でした。

今回そろえた機材はこちらです。SwitchBot製はHub Mini・人感センサー・プラグミニの3点で、LEDテープライトと回転灯は市販品をプラグミニで制御しています。実家がガレージ・庭・玄関の導線を持つ戸建てなら、まず「Hub Mini+人感センサー+プラグミニ+テープライト」の最小構成から始めるのがおすすめです。

子どもたちには、どう見せておきたいか

もう一つ考えるのは、この様子を子どもたちがどう見ているか、です。うちの4人は、いずれ私と妻に対して同じ問いの前に立ちます。「親のところに、どれくらい帰るか」を。そのとき彼らに罪悪感で縛られてほしくはないし、逆に「もう関係ない」と切れてほしくもない。

だから今、帰省の車の中で「じいじ、最近ちょっと足が痛いんだって」と何気なく共有したり、父と孫がテレビ電話で笑っている時間を作ったりしています。回数や滞在時間ではなく、「離れていても、気にかけ合う関係はつくれる」——その姿こそ、いちばん残しておきたい背中なのかもしれません。

おわりに

「帰省予定なし4割超」という数字は、一見すると家族の希薄化のように読めます。でも私は、これは”距離のとり方が多様になった”ということなんじゃないかと思っています。帰るのが正解でも、帰らないのが冷たいわけでもない。大事なのは、自分と親にとって無理のない形で「気にかけ続けられているか」だけ。あなたの実家との距離は、今、心地よい距離ですか。この夏、ちょっとだけ立ち止まって考えてみるのも悪くないと思うのです。


参考: 2026年のお盆、帰省する人はどれくらい?「予定なし」が4割超で最多に(マイナビニュース)