48歳・管理職経験なしで転職の壁—40代の「賃金が渋い」を、私はこう問い直す

この数日、40代のキャリアを扱った記事が立て続けに目に入った。「48歳・管理職経験なしで転職の壁」(ゴールドオンライン)、「40代半ばからのパフォーマンス低下」という調査、「中高年の賃金が渋い根本的な理由」(AERA)。どれも耳に痛い。3回転職し、マネジメントも経験してきた私にとって、これは他人事ではなく、自分の”現在地”を突きつけられる話だった。

市場は、思っているほど40代に甘くない

まず直視すべき現実がある。「管理職経験がないと48歳では書類で落ちる」という話は、決して大げさではない。40代半ばを過ぎると、企業が求めるのは”伸びしろ”ではなく”即戦力とマネジメント”になる。そして中高年の賃金が渋くなるのは、年功で積み上がった給与と、市場が評価する価値の間に、静かにギャップが生まれているからだ。

私は幸い、前職のメーカー販社で新規事業をゼロから立ち上げて形にした経験がある。でも、その”武勇伝”がそのまま次で通用するわけではない。現職のJTCでは、組織文化に苦戦している。過去の成功体験は、次の場所では一度リセットされる——それが40代の転職のリアルだと思う。

「パフォーマンス低下」は、能力ではなく”接点”の問題

「40代半ばからパフォーマンスが下がる」という調査を、私は能力の衰えとは受け取っていない。むしろ、担ってきた業務が、市場が今求めるスキルとズレていく——その”接点の喪失”の問題だと思う。長く同じ役割にいるほど、社内では通用しても社外では評価されない専門性が積み上がっていく。怖いのは、それに本人が気づけないことだ。

実際、管理職がいまリスキリングに向かっている(NIKKEIリスキリング)のは、この危機感の裏返しだろう。40代の学び直し意識が高いのは、「このままでは市場と切れる」という肌感覚があるからだ。

私が”椅子取りゲーム”から少し降りた理由

かつての私は、管理職としてポジションを上げることにもやりがいを感じていた。でも今は、少し違う戦い方をしている。

  • 管理職の椅子だけを物差しにしない。「役職」ではなく「持ち運べるスキル」で自分の価値を測り直す。
  • 専門性を掛け算する。私はいま現職でBtoBクラウドのCSとマーケを担い、UIやデジタルマーケを学び直している。新規事業の経験に”デジマケ”を掛けることで、市場との接点を作り直している。
  • 「何のために働くか」を判断軸に入れる。年収や役職だけでなく、家族との時間や納得感も、キャリアの評価基準にする。

まとめ——賃金の渋さは、問い直しの合図

中高年の賃金が渋いという現実は、へこむニュースだ。でも見方を変えれば、「あなたの価値、今の市場で説明できますか?」という問い直しの合図でもある。40代は、過去の実績で逃げ切る歳ではなく、専門性を編み直す最後のチャンスかもしれない。私もまだ、その編み直しの途中にいる。あなたのスキルは今、市場と”接点”を持てていますか。


参考: 「管理職経験がないと48歳では転職できない?」(ゴールドオンライン)/「40代後半で会社への交渉力が低下、中高年の賃金が渋い理由」(AERA DIGITAL)/「管理職がリスキリングしている分野」(NIKKEIリスキリング)ほか、2026年8月。